2011年7月12日

LETS review  Vol.04  August 2010

Prefatory Note
医療法人財団天翁会 理事長元日本医師会常任理事 天本 宏 氏
「一次医療計画」をベースにした高齢者の街づくりを

■高齢者医療の社会的重さ

先ごろ、後期高齢者の医療費の伸びが5%超という厚労省からの発表がありました。いまや医療関係者だけでなく、多くの国民が医療費のかなりの部分を高齢者医療が占めていること、また年金や介護を含め、財源の確保、将来を支える制度設計は待ったなしの状況にあることを知っています。

ところで、今回の診療報酬改定は、民主党のマニフェストに従って急性期医療、母子・小児医療に多くの資源が投入されました。これはこれで評価すべき改定でしょう。しかし、誤解を恐れず大胆な表現をすると「量的」なウエイトは明らかに高齢者医療及び介護サービスにあることは明らかです。

高齢化が進むということは、高齢者の絶対数が増加し、半面、若者の数が減少するということです。とても簡単な算数ですが、サービス提供という側面でこの問題を見ると、極めて重要な社会的課題が浮き上がってきます。つまり、医療サービスの量的提供の大部分を高齢者が占め、場合によっては医療の在り様そのものも変化する可能性を持っているということなのです。

■重要なのはサービスの連続性
我が国の医療提供の設計図の一つが医療計画ですが、現状は二次医療計画にのみ注力されています。行政(都道府県)の設計図としては二次医療圏までが限界なのかもしれませんが、これから更に進行する高齢化を考えると、本来的には一次医療計画こそ重要な位置づけがなされるべきだと考えています。重ねて言えば、社会資源を効果的かつ効率的に活用するためにも一次医療計画のなかで高齢者医療の設計がキチンとなされるべきでしょう。もちろん、効率性の追求だけでなく、高齢者とその家族のQOLを考慮するという前提の上でということです。

高齢化という社会の大きな変化の中では、かつての一次医療=診療所という単純な図式では対応は不能です。地域社会の中では、医療と介護のサービスの連続性こそが、社会生活の安心を支える基盤とさえいえる状況にあります。これらを支えるには私を含め、医師一人で対応できるものではありませんし、多様な職種や資源の組み合わせが求められています。様々な機能の連携こそが、これからの時代を構築するキーワードでもあります。

かつては医療をはじめ高齢者への処遇は、施設収容に焦点が当てられていました。しかし、時代環境が変化しています。多様な資源を地域社会に配置し、サービスの質と連続性を担保しつつ、いかに社会の全体最適を確保していくのかが私たちに与えられた重要な課題であると確信しています。

(文責 編集部)

コンサルタントの独り言

今回は、東京本社小畑の「ラーメン好き」のご紹介です。

私は、平成12年に厚労省の外郭団体へ出向したことをきっかけに東京での生活をはじめました。京都出身の性で、食べ物の味には少々うるさく、東京に来た当初は、雑誌やTVで取り上げられているお店に行っては、長蛇の列と待ち時間に耐えて、食事をしていたのですが、どのお店の味にも馴染めず不満は募るばかり。そんなある時、友人に連れられて入ったお店が「じゃんがらラーメン」でした。

友人の勧めのまま「全部入り1000円」を注文。ラーメン1杯1000円!なんて、さすが日本の首都東京だと、驚いたたのもつかの間、出てきたラーメンを啜り、あまりの旨さに感動すら覚えました。

その後、東京はラーメン店のメッカであることが分かり、今では週1回はラーメン屋の暖簾をくぐるほどの通になりました。

最近のお気に入りは、会社の近くにある「2代目つじ田」。特に、魚介系スープのラーメンとつけ麺は、幸せを感じる一杯です。皆さんお勧めのラーメン屋さんがあれば是非ご紹介ください。

東京本社
マネージャー
小畑吉弘

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Directors Interview
たかた内科クリニック 院長 高田幸浩 先生
診療を粗末にしない 声にならない患者さんの声を聴く

神戸市北区八多町、三田牛で有名な三田市の南隣に位置する新興住宅地。神戸鉄道・道場南口駅から徒歩10分の幹線道路沿いにある「たかた内科クリニック」は5年前の開業になる。

■開業場所は即決! 奥様も納得

-周辺は新しい家やマンションが多いようですが、開業された頃は、どんな状況でしたか。

豊かな自然、澄んだ空気。まばらな住宅。多分、人よりも野生の動物が多かったと思いますよ。

-よくそんなところを選択されましたね。

そうですね。ここは医業総研さんから紹介された立地のうちの一つでした。開業の5、6年前からこの近くに住んではいたのですが、このあたりのことはまったく知りませんでしたね。女房と立地の確認に来たんですが、即断、ここに決めた!と。目の前に大きなスーパーがあって、車だけど人が集まる。人家がまばらということは、これから開発の可能性があるし、開業のイメージはすぐに湧いてきました。隣にいた女房も賛成してくれましたし、まったく迷いはなかったですね。

-でも患者さんはいなかったじゃありませんか。

最初はそうでした。半日で一人の患者さんとか。でも、患者さんがゼロということはなかったですし、毎月の患者数も僅かずつではありますが前月比を上回っていました。ただ、事業の損益分岐点を越えるのは1年かかりましたし、安定した生活費を含めた十分な売上までは約2年ですか…。でも、心配はしてませんでしたね。お蔭様で、現在は少ない夏場でも一日 人を切ることはほとんどありませんし、冬場は多いときは100人を超える患者さんに来ていただいています。

-奥様もよく辛抱されましたね。

そうですね。楽観的な私に引きずられたのか(笑)。しかし、内助の功というのか、開業後の厳しい時期は物心両面で色々支えてくれましたし、看護師の資格を持っているので今でも、スタッフのシフトの谷間に入ってくれるなど、本当のパートナーとしてやってくれています。

■社会に役立っている実感を求め

-ところで先生が医師を志したきっかけを伺えますか。

若い頃は太陽エネルギーの開発に携わりたくて京都大学の工学部に進みました。でも、残念ながら1年で挫折。空っぽになった頭で、社会に役立っている実感を得られる仕事はなんだろうかと考えたら医師だった。

-ご家族の反応は!?

父親からは猛烈に反対されました。でもあきらめないで交渉した結果、教養課程の単位を修了することを条件に1回だけ受験を認めてくれるということになりました。実は、前年に肩慣らしのつもりで、こっそり岡山大学の医学部を受験していて、案の定不合格。親に「告白」して退路を断った形になって(笑)、今度は必死で頑張って須磨区の実家から通学できるという父親の条件を満たす神戸大学医学部に入ることができました。

-開業を決めるきっかけは。

消極的な選択とでもいうのか。医師免許を取得して16~17年頃でしょうか、一つの転機がありました。勤務医の私に、ある企業の産業医として企業内診療所を任せたいという話がありました。やりたいことができる環境のようだし、設備もきちんとするということでしたが、経済環境が激変してボツに。宙ぶらりんのようになった結果、定年もなく、それこそ自分が望む医療をやって誰からも文句が出ない開業もありだな、と。

-医業総研との出会い、そして印象はいかがでした。

きっかけは友人の紹介です。とても信頼していた友人の勧めだったので、間違いない! と確信してました(笑)。担当の猪川さんとは、最初はメールでのやり取りだったんですが、人間性が出ますよね、メールには。あ、この人は信頼できるなと感じました。

■決めたら先に進もう!

-先生が開業医として心がけていることは何でしょうか。

「診療を粗末にしない」ことですね。患者さんにはいろんな方がいます。キチンと言葉で説明できれば良いのですが、それがうまく出来ない方もいます。こういった患者さんの言葉や態度、しぐさの裏に潜んでいる声をできる限り聴いて医療を提供することが大切だと考えています。それが地域医療の一面でもあると考えています。

-何か座右の銘があれば。

自分の言葉ですが「物事、決めたら、とりあえず先に進んでみよう」ですか。

-これから開業を考えている方にアドバイスをお願いします。

先ほどの言葉もそうですね。これまでの私もそうでしたが、消極的選択とはいえ、決めたら余計なことは考えないで先に進んだほうが良い。それと、実務的には、どんな医療サービスを提供したいのか、そしてそれに基づいた立地。私からのアドバイスはこの2点ですね。

-ありがとうございました。

<<たかた内科クリニック>>
診療科目…内科、呼吸器科、循環器科
施設面積…約40坪
住所…兵庫県神戸市北区八多町中1061
TEL…078-950-2011 begin_of_the_skype_highlighting            078-950-2011      end_of_the_skype_highlighting
URL…http://takata-naikaclinic.com/

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勤務医のための医院経営塾 Part3
第1講『経営戦略集中講座III』

前号では、講義の内容のうち「診療コンセプト」「ターゲットとする患者像」「診療科目」「導入する医療機器」までご紹介しました。今号では、開業エリアの選定についてご紹介します。

「経営理念」「診療コンセプト」「ターゲットとなる患者像」が明確になったところで、次に行う作業は、エリアマーケティングです。ここで、すぐに空き物件を探すのではなく、まずは、どのエリアで自分の理想とするクリニックが必要とされるかを検討します。マーケティングのポイントは、ターゲットとする患者像となる方が多く居住しているエリアを抽出し、そのエリアに自分が掲げる診療コンセプトに似通った競合医院がない(少ない)ことです。これは、経営理念や診療コンセプトが明確なほど、エリアの絞り込みができます。

次に、そのエリアの中における一番立地はどこになるのかを周辺を丹念に歩いて調査する中で確認します。そして、その一番立地と考えられる場所に開業に適した物件がないかを探索します。そこまでエリアを絞り込んで物件探しを行いますので、地域の不動産屋業者も、成約の可能性が高いとなると一生懸命物件を探してくれますし、まだ公になっていない未公開の物件情報等を出してくれたりします。

こうして見つかった物件は、そもそも診療コンセプトと、地域ニーズを満たしていますので、開業後もスムーズに事業が立ち上がっていく可能性が高いのです。その可能性をより明確化するために、本格的な診療圏調査(競合医院の詳細な情報、地域の町丁別・年齢別の居住人口・診療科目毎の外来受療率をもとにした推計患者数等)を実施するとともに、候補物件の賃料や診療コンセプトを反映した導入医療機器などの経済条件を反映した事業計画書を作成し、事業が確実に立ち上がっていくかを数字で検証します。その作業と並行して、候補物件で開業が可能か、設備面(電気容量など)の検証、契約書等の法的な検証も行います。それらの検証作業で問題点をクリアして、ようやく開業物件が決まります。

次号では、決まった開業物件における内装工事の進め方についてご紹介します。

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What’s New
むさしのタワーズクリニックモールがオープン!

日本医業総研が約2年がかりで企画開発を行ってまいりました「むさしのタワーズクリニックモール」が2010年6月1日、地域住民の皆様の熱い期待を受けてオープン致しました。

まずは内科(タワーズ内科クリニック様)と整形外科(むさしのタワーズ整形外科様)が先行するかたちで6月にオープン、9月に耳鼻咽喉科、12月に眼科が開院準備を進められています。

当クリニックモールは、JR三鷹駅北口駅前の好立地に野村不動産が建築し販売する高級タワーマンション低層部の商業施設内に、マンション住民の健康管理と、同施設内に開業するメガロス(フィットネスクラブ)と健康作りをテーマにした連携をコンセプトとして開発が進められ、まさに大型開発プロジェクトの一翼を担う仕事ともなりました。無事オープンを迎えられましたが、クリニックモール自体はこれから本番と、気を引き締め直しているところです。

6月の開院に先立ち、地域住民の皆様へのお披露目として開催いたしました内覧会には約500名の方々がお越しいただき、地域住民の皆様の期待の高さをあらためて感じさせていただきました。また、6月23日には「むさしのタワーズクリニックモール健康教室」をメガロスのスタジオをお借りして開催させて頂き、各先生から専門分野の健康管理や病気の予防などについてお話を頂きました。地域貢献の一つの形として、また、各先生方と地域住民の皆様との交流の場として、今後も継続開催をしていく予定です。

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Serialization
診療報酬改定
難病外来指導管理料(250点) 公費医療の対象患者でなくても算定は可能

難病外来指導管理料は指導管理料の中では比較的馴染みのある点数といえます。病院勤務医を経験している皆さんにとっては、外来を担当していた頃には、担当する診療科に対応する疾患の患者さんの指導の経験が必ずあると思われます。

対象となる疾患は「特定疾患治療研究事業について」の別表に記載されたもので、平成21年10月に11疾患が追加され、56疾患が対象となっています。新たに追加された疾患は以下の通りです。
《追加疾患》
・家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)
・脊髄性筋萎縮症
・球脊髄性筋萎縮症
・慢性炎症性脱髄性多発神経症
・肥大型心筋症
・拘束型心筋症
・ミトコンドリア病
・リンパ脈管筋腫症(LAM)
・重症多形滲出性紅斑(急性期)
・黄色靭帯骨化症
・間脳下垂体機能障害(PRL分泌異常症、ゴナドトロピン分泌異常症、ADH分泌異常症、下垂体性TSH分泌異常症、クッシング病、先端巨大症、下垂体機能低下)

難病外来指導管理料で誤解しやすいのは、「特定疾患治療研究事業の対象疾患ということで、受給者証を交付された患者さんだけしか算定の対象とならない」ということです。

公費による医療の対象となるためには、認定を受け、当然受給者証が必要となりますが、医師が行う指導管理料の対象患者は、公費医療の対象患者とはイコールではありません。主病の診断を受けていれば算定の対象となります。

算定については、対象疾患を主病とする患者に対し、計画的な医学管理を継続的に行い、治療計画に基づき療養上必要な指導を行った場合に、月1回を限度として、となっています。ただし、「初診料を算定した日または退院の日から起算して1カ月を経過した日以降」から算定可能となっています。したがって、レセプトに初診料が算定されていながら同時に、本点数が算定されていると、ルール違反ということで査定の対象となります。

また、本点数は同じ難病系の疾患といえる「皮膚科特定疾患指導管理料」のように、算定できる標榜科に制限はありませんが、対象疾患と自院の診療科の整合性には、十分留意してください。また、電話での再診の際は請求不可です。

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