承継元(売り手)

Q1:70歳を目途に現役引退を考えているが、後継者への事業承継はいつごろから準備すべきか。

A:後継者を探す期間や診療の引継ぎを考えますと、準備はできるだけ早い方が可能性は広がります。最低でも1年以上の準備期間を設けることをお勧めします。

Q2:現在診ている患者さんは私の診療方針に慣れ理解している。院長交代によって患者さんが不安になることはないか。

A:承継前に必ず丁寧な引継ぎを行うことを推奨しています。最初は挨拶から始めていただき、新患対応や半日勤務などから徐々に診療をお任せするケースが多くみられます。

Q3:事業承継で、長年クリニック経営を支えてくれてきた職員たちの継続雇用は守られるのか。

A:医療法人の場合は、原則的に従前条件での継続雇用となります。個人立の場合は、事業廃止に基づいて雇用関係は終了しますので、継続雇用を望まれる場合は、事前に引き継がれる先生との綿密な打ち合わせが必要です。先生によっては諸条件を書面で取り交わされるケースもあります。

Q4:承継医師を探すにあたり、知り合いの医師や地区医師会などにも相談するべきか。

A:選択肢の一つとしてご相談されるのはよいかと思いますが、患者さんや職員などが動揺しないよう情報漏洩には十分な注意が必要です。

Q5:事業承継の対価として、どの程度の「営業権」が期待できるのか。

A:当社では通常年間実質利益の過去3年の平均値を一つの目安にしています。

Q6:銀行借り入れやリース会社の残債務・個人保証債務も新院長に承継されるのか。

A:借入金の残債は承継時に前院長に清算いただきます。

Q7:自己所有の住宅併用不動産でクリニックを営業しているが、承継後はどうなるのか。

A:クリニック部分のみを承継先に賃貸されるか、建物ごと不動産の売却を希望される先生もおられます。後者の場合、事業承継+不動産売買と取引額も多くなることから、実際は双方で相談のうえ決めていくことになります。

承継先(買い手)

Q1:本当は新規で自前のクリニックを開設したいが、承継のメリットはどこにあるのか。

A:開業時の段階からある程度の来院患者が見込まれ、黒字からスタートできるところが承継開業の最大のメリットといえます。ほかには、内装工事や医療機器の継続使用によるコスト削減で、全体の初期投資を抑えられる点があげられます。

Q2:自己資金に不安があるが、金融機関からの調達は可能か。

A:可能です。かつ、新規開業に比べ営業実績があるという点で資金調達交渉を優位に進めることもできます。

Q3:承継以前のレセプトの不備や誤りに対する返戻が生じたり、過去の医療過誤等について患者さんから訴えられたりした場合の責任の所在はどうなるのか。

A:承継以前に発生の事案は、前院長の責任範疇において対応いただくことになります。これは契約書面等に明記します。

Q4:既存の患者さんの既往歴や通院歴を知るためのカルテデータもそのまま引き継げるのか。

A:医療法人の場合は引継ぎ可能ですが、個人立の場合は参照として扱われ、患者さんの了解をいただいたうえで閲覧が可能になります。

Q5:院長交代によって患者さんが離反し、売上が下がるリスクはないのか。

A:まったくゼロではありませんが、代わりに新しい患者さんが来院されることも多く、全体として大幅に売上を下げるケースは少ないといえます。その場合も、しっかりとした引継ぎを行うことが必須となります。

Q6:クリニックを承継した場合でも、医師会には新規の入会手続きが必要か。

A:医師会に加入する場合は入会手続きが必要になります。スムーズな引継ぎ・入会のために承継元の先生から医師会にお声がけいただくことをお勧めしています。

Q7:職員をそのまま引き継ぐ際の待遇や雇用条件はどうなるのか。

A:診療時間や曜日、勤務時間が変わらなければ、基本的に同じ条件で雇用し、引継ぎ後の運営を早期に安定させることをお勧めします。新規採用職員から新しい給与体系等に変更されるケースも多々あります。

Q8:事業承継後に前院長時代の簿外債務が発見された場合のリスク回避は。

A:契約書には表明保証が明記されており、発見された場合は譲渡額の範囲内で損害賠償ができる旨が記されています。契約前に売り手側の了解の下、必要資料をいただいたうえで買い手側の立場からデューデリジェンスを行うことも可能です。

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