医療事務の基礎知識(3)

皆さんこんにちは。今回も、初・再診料のお話になりますが、小児科の場合や複数の診療科を標榜している場合についてお伝えします。それから、再診時に限り、算定できる場合もある「外来管理加算」にもふれておきます。

前回、初・再診料の診療する時間帯によってできる加算についてお伝えしましたが、小児科の場合は特例もありますので、ご確認ください。

 

■小児の初再診料

初診料、再診料には6歳未満(5歳まで)の乳幼児加算(年齢加算)があります。医療費は大人よりも子ども(5歳まで)の方が高い料金設定になっていますので、乳幼児の場合は決められている点数に年齢加算をして算定します。(6歳の誕生日の日から大人と同じ料金になります。例外あり)

 

■小児科は特別

診療科が小児科の場合や小児科を標榜している医療機関の場合には、通常の時間外加算、休日加算、深夜加算に加えて「小児科特例加算」があります。これによって診療時間内であっても時間外等加算をした高い点数で算定できることがあるのです。

また「小児科外来診療料」という診療行為をまるめ算定する項目もあります。これは2020年4月の点数改定で3歳未満から6歳未満に拡大されました。(要届出) 

※ 今まで小児科外来診療料を算定されていた医療機関でも、再度届出が必要です。

小児科での注意事項としては、年齢加算と時間外等加算を同時に加算しない(できない)ことです。

 

■小児科での診察料

・6歳未満の年齢加算

初診時

75点

 

 
 

再診時

38点

 

 
   

 

   

・時間外等加算

 

時間外

休日

深夜

 

初診時

200点

365点

695点

 

再診時

135点

260点

590点

         

・小児科特例加算

初診時

200点

 

 
 

再診時

135点

 

 
         

・小児科外来診療料

 

時間外

休日

深夜

 

初診時

85点

250点

580点

 

再診時

65点

190点

520点

 

※6歳未満(5歳まで)の小児科外来診療料を算定している場合でも加算はできます

 

■表の解説

診察料には、年齢による加算と時間外等加算があります。

 

年齢による加算は、6歳未満(5歳まで)が対象です

時間外等加算は、時間外 … 表示する診療時間以外

 

休日  … 日曜日および国民の祝日と12月29日~31日、1月1日~3日

深夜  … 午後10時~翌午前6時まで       

 

・6歳未満の年齢加算は、年齢による加算分のみになります

 

・時間外等加算には、年齢による加算と時間に対する加算が合わさって決められている点数です

 

・小児科特例加算は、小児科を標榜している医療機関であれば小児科以外の診療科を受診した

場合であっても、6歳未満(5歳まで)の患者に加算できるもので、夜間、休日、深夜に診療を行っ

ている場合が対象になります。(「診療します」と言っているのに、時間外等の加算ができる)

※ 6歳以上の患者には「夜間・早朝等加算50点」が加算できます(週30時間以上診療していること)

※夜間とは平日:午後6時~午後8時、土曜:午後12時~午後10時、早朝:午前6時~午前8時

 

・小児科外来診療料は、すでに年齢による加算がされているので、この場合は6歳以上の時間に

対する加算分のみをします(※深夜加算は+100点になっています)

【参考までに】

・ 6歳以上の時間加算

 

時間外

休日

※深夜

初診時

85点

250点

480点

再診時

65点

190点

420点

 

小児科外来診療料を算定している場合の加算や小児科特例加算については、少し分かりにくいと

ころもありますよね。特に小児科外来診療料にも加算ができることや、加算点数が異なること、ま

た小児科特例加算は、小児科を標榜している医療機関であれば小児科以外の診療科でも加算が

できるなど意外と知らないこともあるのではないでしょうか。少しでもお役に立てれば幸いです。

 

 

■2科以上を標榜している医療機関

1つの医療機関で、複数の診療科を標榜していることってありますよね。そしてそれぞれの専門医がいて診療を行っている場合は、同日に2つ目の診療科まで診察料が算定できます。

※診察料以外の診療行為に対する点数は、受診したすべての科で算定できます。処方せん料も、医師ごとに算定可能です。

 

例えば内科と眼科を標榜していて、別々の専門医がいる場合は下記のような算定になります。ただし異なる疾患で受診した場合に限られますのでご注意ください。(関連のある疾患でしたら、診察料はどちらか1科でしか算定できません。例えば、内科で糖尿病の診療継続中に、眼科で糖尿病性網膜症の疑いなど)

 

■同日複数科初診料、同日複数科再診料

同日複数科初診料(144点)、同日複数科再診料(37点)という点数があります。同日に複数科を受診された場合は、点数は逓減されますが2つ目の科まで診察料が算定できます。(3つ目からは診察料は算定できません)

 

例えば内科と眼科を標榜している医療機関で、同一日に両方の診療科を受診した場合には次のような算定になります。

                                  内科と耳鼻科を同日に受診された場合の診察料

 

2科とも初診

2科とも再診

1つ目再診

2つ目初診

1つ目初診

2つ目再診

内科 (1つ目)

288点

73点

 73点

144点

眼科 (2つ目)

144点

37点

144点

 73点

※ 初診料6歳以上288点・6歳未満(5歳まで)363点、再診料6歳以上73点・6歳未111点

(複数科初診料、複数科再診料には年齢に対する加算や時間外等の加算はありません)

 

■大切!

例えば、いつも内科で受診している患者様が、今日は内科にはかからずに眼科のみで受診した場合には、眼科での受診は初めてであっても、再診料(73点)の算定になります。

同日複数科初診料(同日複数科再診料)は、その名の通り「同日に複数科を受診した場合の初診料(または再診料)」になりますので、同日に他科でも受診をしていることがポイントです。

診察料は診療科ごとではなく医療機関ごとに考えるものですので、この医療機関に初めて受診するか、通院中かで判断します。

 

■あり得ない組み合わせ

・初診料288点と再診料73点の組み合わせ

・複数科初診料144点と複数科再診料37点の組み合わせ   ⇒ これらの組み合わせはありません

・初診料288点と複数科再診料37点の組み合わせ 

 

■確認!

同日に3つの科を受診した場合、3つ目の診療科では診察料は算定できない」の確認です。

同日複数科初診料は、1ヶ月中に何回でも算定することは可能です。例えば、内科と眼科と皮膚科と外科を標榜している場合の算定例です。(6歳以上の場合)

 

・4月10日  (1つ目) 内科     初診 → 初診料    288点

            (2つ目) 眼科     初診 → 複数科初診料  144点

               (3つ目) 皮膚科    初診 → 診察料の算定  なし

 

・4月17日     (1つ目) 内科       再診 → 再診料     73点

            (2つ目) 外科       初診 → 複数科初診料 144点

このように、1月中に複数科初診料を2回算定することもできますので解釈を間違えないでください。

 

 

■レセプトの記載事項!

同日複数科初診料または同日複数科再診料を算定した場合は、レセプトの摘要欄に「同日複数科初診料(または同日複数科再診料)」と記載の上、受診した診療科名と点数の記載も必要です。

 

■外来管理加算について

再診料には外来管理加算52点という加算項目があります。算定は厚生労働大臣が定める診療行為(処置や手術、超音波エコーや内視鏡検査など)を行わない再診時に加算ができます。このような診療が行われていない場合、電子カルテでは自動的に加算されてきますので、あまり気にされていないかもしれませんが、実は電子カルテが自動で算定してきても本当は加算ができないこともあります。

また、「ただ診察をしただけ」では外来管理加算は算定できません。診察に対しては再診料を算定しますから外来管理加算を算定するに当たっての定義が別に定められています。それを実施していなければ再診料しか算定できませんのでご留意ください。(定義は医学通信社2020年4月診療点数早見表P51左下 →外来管理加算「注8」イの1~4)

 

■外来管理加算が算定できない場合

① 電話再診

② 初めて慢性疼痛疾患管理料を算定したあとの同一月内(翌月以降は、慢性疼痛疾患管理料を算定した同一月内)

③ 2科以上で受診し、どこかの診療科で外来管理加算が算定できない診療行為が行われた場合

④ 患者本人ではなく、家族等看護に当たっている者が来院して処方を行った場合

⑤ 鶏眼・胼胝処置を算定後の同月3回目以降の同処置を行った場合

⑥ 運動器リハビリテーション料などの限度回数を超えてリハビリの点数が算定できない場合

 

※「鶏眼・胼胝処置」(170点)は、同一部位について、その範囲にかかわらず月2回を限度として算定します。同月の3回目以降に同処置を行った場合は、所定点数および外来管理加算は算定できません。ただし、薬剤料は算定できます。(3回目で処置料が算定できないので再診料だけを入力の場合は、自動で外来管理加算を算定する可能性がありますので、ご留意ください。

 

※ ④⑤⑥は電子カルテが自動で加算してくると思いますので、削除する必要があります。

ここでは、算定できないということを強調した内容になっています。本当は算定できないのに算定することはよくありません。その理由が知らなかったからであっても、電子カルテが自動で算定してしまったということであっても、ダメなことはダメですので正しい算定をするようにしてください。

 

 

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