通勤帰り、学校が終わってから、買い物ついで等、そんな感じで寄ってもらえたらいいと思っています。

原 英徳 先生 インタビュー

はら眼科クリニック
院長

はら眼科クリニック

今回の「先達の開業インタビュー」は、平成17年10月3日に泉北高速線泉ヶ丘駅前の高島屋をキーテナントとしている商業施設パンジョ内にオープンした医療モール「パンジョメディカルセンター」内でご開業されました「はら眼科クリニック」原英徳院長にお話をお聞きしました。


原院長とスタッフ

■かなり遡るお話となりますが先生が眼科を専攻された理由をお聞かせ下さい。

まず僕は家が医者でなかったので最初から開業を考えていました。もともと兄が耳鼻科で二人とも開業を考えて医者になったと言う事もあるのですが、親としては内科、外科といった一番医者のイメージの強い科目を目指してほしい、身体が全部診れる内科医か外科医になってほしかったようです。僕としては内科の先生は数が多いし、外科は開業が難しいというイメージもあり、色々と考えた時期もありました。そんな時、白内障のオペ後の患者さんと出会い、表情が明るくなって喜んで帰っていかれる姿を見て、迷わず眼科を選択することに決めました。

■それでは先生は医学部を目指されていらっしゃるころから考えておられたのですか?

そんなことはないです。大学に入ってからです。学生で勉強しているうちは何科に向かうということはないですが、さすがに六年生になったら決めないといけないので、やはり同じ境遇の家が医者でない友人と色々相談して何科に行くのかという話をしていました。 家が内科の人だったら内科へ迷わず行く場合が多いですね。科を変える人は家が産婦人科にもかかわらずお産が大変だったりすると眼科を選ぶ、そういうケースは結構あったりします。女医さんなども眼科を選ぶ人は多いです。

■先生の場合開業を意識されて開業向きの科目が眼科だったという事ですね。

そう、そういうことですね。

■先生が開業準備を本格的に始められたのはいつぐらいからですか?

本格的と言えるかどうか分かりませんが、開業を考えていたのは2年前からで、リサーチをして準備しておりました。
そういう意味で日本医業総研さんの開業セミナーに参加したのも2年前です。それから1年くらいは自分なりに不動産を見つけたり、薬屋さんも診療圏調査をしてくれるので、そちらでも時々調べてもらったりしておりましたが、なかなかいい物件が出てこなかったです。

■開業準備をする上で最初は手探り状態だったと思いますが、先生は何から情報を集められておられましたか?

そうですね。知人から人口層や空いている土地の情報など教えてもらいました。私は生れも育ちも岸和田で、兄が岸和田で開業していました。その辺りはスーパーやコンビニがあり、兄の開業後、内科、歯科、調剤薬局ができ、どんどん周りが賑やかになっていきました。眼科でリサーチしたこともありましたが結果はいまひとつ・・断念しました。親としては岸和田でやってほしかったようです。
自分の子供は自分の家の近くでと考えていたようですね。クリニックは別に建てても良かったですし、テナントでも良かったのですが、建てるとなれば多額のお金が動きますからね。私の兄のところは建てますけれど土地は売ってくれなかった。場所選びはいろいろ難しいですね。

■先生が現在の場所を決められた理由は何だったのでしょうか?

自分が近大出身で大阪狭山に長い間いたということでここの土地を良く知っていたということと、僕がこの近くに住んでいて、
人口が多い場所と思っていた地域でもありました。
隣駅の物件もリサーチしたのですが、そこは戸建てで物件を買っていいと考えておりましたが、いろいろ問題があって、
ちょっと無理かなと思っていたところに、たまたまここを勧めていただいたという感じですね。駅前ですしね。

■駅前ということが開業場所としてお選びになられたポイントの1つとなったのでしょうか?最近は郊外で開業される先生も多くなってきておりますが。

開業前は車で来られる患者さんが多いのはと思っていましたが、全然そんなことはなくて、歩いて来られる患者さんが以外と多いですね。
今日でも、バス、電車で来られる方、徒歩のお年寄りの方が結構多いですよ患者さんに”今日はお車ですか?”と聞くと “いいえ。歩きですよ”と答えられます。歩いて来られる方が多いのは最初のイメージと違いました。確かに車に乗って来られる方もおられますが、ここは、駐車場は広いし、バス、電車ともアクセスするための条件が全部適っている。 
郊外型で駐車場が3,4台しか止められないことになると、3,4台はあっという間に埋まってしまいそうで、別に駐車場を借りられている先生もいらっしゃる様ですが、それを思うと、ここはすべての交通の手段がOKです。

■駅前ということで、その分家賃が割高だったかと思いますが?

場所が良いので家賃が高いのではと心配しましたけど、他の駅前の物件を見比べてみて、これくらいだろうなあと思いましたので納得はできました。

■先生が資金面で苦労、心配したことはありましたか?

借入は少ない方だと思います。かねてから開業を考えておりましたので、自分で今まで貯めていたものもありますし、親族からも借入もありました。借金はできるだけ少ない方がいいのでね。

■こちらの内装のレイアウトプランで意識されたことはありますか?

自分の診察室は広くということはかなり意識しました。それから視力検査室はすごく広くしています。
待合室はそんなに広くもなく狭くもなくといったところですが、視力検査室がかなり広いので、もしも患者さんが大量に増えた場合は視力表を3台にして字詰まりをもう1台追加し、コンセントも用意しているので、3列で使用することができますし、字ひとつを使えば4人同時に検査できないことはないですね。どこまで患者が増えるかわからないところがあったのでね。

■もともと医療機械を将来的に追加することをお考えになられていたということで、やはり検査室に関してはかなりのゆとりがありますよね。

友人からやはり最初は広くしておいた方がいいというアドバイスをもらっていて、狭いものを広くは出来ないので、家賃はかかりますけどのちのち広げられずに仮の倉庫をそばに借りないといけないとか、たまにしか使わない物を全部処分するとか、スタッフルームを無くすとか、院長室を無くすなど、そういったやり方をしないですむ様にしておきたかったので。

■内装コストの面で開業の資金で大きなウエイトをしめていると思いますが、このクリニックモールでは3人の先生が同じ設計士を選んだ上で一体工事をする施工会社をコンペ形式で選んで頂くかたちを取りましたが、そのやり方については実際にコストが下がったという印象がございますが?

はい、あります。他の先生方もそうだと思いますが、基本的に建築のことはどれが良いのか悪いのかわからない。
安ければいいのかと言えば、安ければ安く見えるものができあがってしまうし、とにかく分からないけど、単純に考えて3人が3人ともいっしょに工事をすれば最後に安く見積もってもらえるのは分かるので。 
それから看板1つ出すにしても3医院では3分の1、4医院では4分の1でやれるのでそれは大きなメリットだと思います。
広告面でのコストを下げることはできますね。

■それ以外に医療モールでのメリットを感じられることはありますが?

やはり内科なら一緒に1人の患者さんのフォローが出来る。
内科で糖尿病などがあれば眼底が必要となってくる。相乗効果を出せるということがモールのいいところだと思います。

■逆にモールでこれはどうかなぁと思うことはありますか?

たとえば自分はここに看板があるといいなとか、自分の意見はあっても、ある程度色々な事を合わせないといけないというデメリットもあるのでしょうけど、ここでは私の意見が抑えられているといった事はありませんでしたので、私自身ものすごく困ってモールのデメリットを痛感したことはありませんね。むしろメリットの方が今のところ多いと感じています。仲の悪い先生が居れば関係がこじれたりする事もあるんでしょうけど、ここの先生は皆良い先生なので非常にやりやすいです。他の先生方もよく医院へ来られますし仲は良いですね。

■他の医療モールの事例では月一回の定例のミーティングを開催されているところもありますね

それはいいかもしれませんね。

■先生のスタッフを採用される際の選定基準を教えて頂けますでしょうか?

以前に長く勤めている事が第一。会った印象が柔らかい人。少しでも医療の経験がある人を半分くらい採用しましたね。
仕事のできそうな人もいたのですが、他のスタッフと、もめないような、フレンドリーな人を選んだつもりです。見学にこられた先生やMRの方などから、スタッフの感じがいいなぁと言ってもらえることが多いですね。
検査ができたら態度はどうでもいい様な人ではいけないですね。サービス的な面が優れていて、もう一度あのスタッフに会いたいなと思ってもらえるくらいでもいいと思います。

■実は私も本日お伺いしてスタッフの方々に対してすごく良い印象を受けました。

やはりコンサルタントの方からアドバイスを頂いて求人媒体を2つ同時にかけたのが良かったですね。他の先生のところと比べて、かなり多くの応募がありましたので、より良い人材を集めることができましたね。
ここはお金をかけるべきところだと僕は思いますね。

■ご開業に際してご家族、特に奥様のご協力についてお聞かせ下さい。

医療機械のことについては口を挟みませんが、内装や色決め、ロゴデザインに関しては患者の視点になってアドバイスをもらうことができ大変助かりました。
女性の視線は内装やその雰囲気、清潔感などを見る力がありますね。男性には無関心な人が多い様ですけど。

■先生は今後、「はら眼科クリニック」をどの様なクリニックにしていこうとお考えでしょうか?

駅に近いのでちょっとしたことでも寄りやすいかなあというイメージが出来ればいいと思っています。通勤帰り、学校が終わってから、買い物ついで等、そんな感じで寄ってもらえたらいいと思っています。近くに自分の知っている関連病院の先生方が多いので病診連携でも理想的に場所ですので、この点も生かしていきたいですね。患者さんから「説明が分かりやすかった」「スタッフの感じが良かった」など「あそこの眼科はいいよ」と
ちょっとでも言ってもらえるようにしていきたいと思っています。

■開業医と勤務医との一番のちがいは?

勤務医は気楽と言えば気楽ですね。
でも開業医は患者さんが直接自分を選んで来てくれるのを直接感じることが出来ます。
やりがいがありますよ。クリニックの方針などのさまざまな決定権が院長にあるのも魅力の1つです。

■最後に、現在開業準備をされている先生方に何かアドバイスをお願い致します?

私の場合はきっちりと有料の開業コンサルティング会社にお願いしたのが良かったと思いますね。
有料だからこそ物件を持ってきてくれたり、サポートも一生懸命やってくれるし、この物件を持ってきてくれただけでも十分価値があったと思いますね。
あと内装の値段を3医院同時工事でコンペ形式で安く抑えてくれたり、有料でも内装費が安くなった分だけでも十分元を取れたと思いますね。
後輩や先輩の勤務医の先生や既に開業している先生からも、この場所をどの様にして見つけたのかと聞かれるくらいなので、
そう考えてると本当に良かったなと思いますね。

 

原 英徳(はら ひでのり)先生

ご経歴
平成7年 近畿大学医学部附属病院眼科研修医 終了
平成11年 近畿大学大学院医学研究科 卒業
近畿大学医学部附属病院眼科助手
近畿大学医学部奈良病院診療講師
平成15年 大阪リハビリテーション病院眼科部長
平成17年10月3日 大阪府堺市に 「はら眼科クリニック」開院

Clinic Data

はら眼科クリニック

眼科

〒590-0115 大阪府堺市南区茶山台1丁2番4号パンジョ西館3階メディカルセンター

TEL:072-296-5000

http://www.hara-eyeclinic.com/

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