2011年8月15日

独立を成功に導く開業指南 事例に基づく人材育成 第4回

良い人材育成は良い採用から

人材選びの成否を決める5つのポイントのなかでも重要なのは経営理念への共感

経験よりも大事なもの

良い人材育成は、良い人材選びから始まる。
それは、立地選定と並んで私たち開業コンサルタントが最も神経を使うステップでもある。
皆さんは、自院にとって「良い人材」とはどのような人物像をイメージするだろうか。
医療機関での勤務経験が豊富な即戦力を思い浮かべる方が多いのではないかと思う。
しかし、私はこの点はあえて優先順位を一つ下げて見るようにしている。
当社が開業を検討されている勤務医の方々を対象に行う「勤務医のための医院経営塾」の講演のなかで、
私は良い人材選びのためのポイントとして、次の5つを挙げている。
1.自院の経営理念に共感をもてる人材か
2.人材は育てるものという認識をもつ
3.経歴より、そこで何をしてきたかを重視する
4.院長との相性は必須
5.ターゲットとなる患者層との相性も加味する
というものだ。
これまで50件以上のオープニングスタッフの選定に携わったなかで、
私の経験則から導きだした採用の成否を分かつ5条件である。
このなかで最も重視していただきたいのは、
①の「自院の経営理念に共感を持てる人材」の選定である。
第2回の原稿で書いたが、院長の重要な仕事の一つは活性化した組織をつくり上げること。
そのためには経営理念をスタッフ全員に浸透させていくことが不可欠である。
そもそも院長の打ち出した経営理念に共感を抱かない人を採用すれば、
理念の共有が難航することは明白である。

面接では自らの経営理念を語れ

5年ほど前に開業された診療所の事例を紹介する。
その院長は「充実した医療サービスの提供を通じて地域社会への貢献を行う」という経営理念を打ち出して、
ご自身の診療所をそのイメージに近づけるべく段階的に新しい医療機器を導入したり、
専門外来の開設を計画したりと、積極的な展開をされていた。
しかしある時、一部のスタッフから不平不満が噴出し始めた。
その理由は、現場で新しい仕事が次々に発生するから。
「充実した医療サービスの提供」を目指す院長の方針は、一部のスタッフのなかでは優先順位が低くなっており、
最も肝心な部分でベクトルがずれてしまっていたのである。
この事例での反省点を挙げるとしたら、採用面接の際や開業前の研修中に、院長がどのような診療所にしていきたいかを
ほとんどアナウンスしてこなかったことであろう。
要するに、院長の経営理念に共感をもってもらえる人材かどうかの踏み絵を設けずに人選を行い、
試用期間ともなる研修期間中にもふるいにかける作業を行わなかったことのツケが回ってきたのである。

次号では、この良い人材選びのポイントについて、事例を交えながらさらに深く掘り下げた説明をしていきたい。

植村智之 うえむら・ともゆき
株式会社日本医業総研東京本社シニアマネジャー。過去300件の医院開業を成功に導いた同社の創業メンバー。
自身も50件以上の開業に関与し、そのすべてが軌道に乗っている。スタッフのモチベーションアップ研修、労務トラブル解決対策などに定評がある

 

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