「患者さんとの出会いに感謝」
医療の継続性が場所選びの原点

杉岡 充爾  先生

すぎおかクリニック
院長

2nd stage

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医師の技量が試される循環器内科

私が医師を目指すようになったのは、受験する大学を選び始めた高校2年生の頃です。
将来の仕事像を明確にしたうえで大学への進学を目指したいと考え、結果的に医学部を選びました。

私は生まれつき視力が弱く、物心ついた頃から眼科に通っていて医師の仕事を患者の立場から体験し、父方の叔父が医師をしていたという理由もあって医療を身近に感じてもいました。

医学部ならば、将来の現実的な仕事像につながっています。だからこそ、大学に入学したあとも目標をもって勉強に励むことができました。
千葉大学医学部を卒業した私は、船橋市立医療センター(以下、医療センター)に循環器内科医として勤務したあと、自らのスキルを高め、倉敷中央病院で循環器内科の専門トレーニングを受け、医療センターに再び戻ってきました。

循環器内科の魅力は、なんといっても医師の技量が大きく試されるところです。何より、循環器系の病状は急激に変化してしまうことも多く、昨日まで普通に生活していた人が、突然倒れて病院に運び込まれることさえ少なくありません。しかし、治療がうまくいって回復すれば、患者さんは歩いて帰宅することもできるのです。この劇的な変化にかかわれることが医師としての喜びになり、やりがいにもつながります。

医師の技量が存分に試されるだけに、責任は大きくなりますが、チャレンジする気持ちや向上心をかきたててくれるところも循環器内科の魅力だと私は思っています。

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『医院経営塾』との出会い

クリニックの開業について考えはじめたのは2、3年前のことでした。

その理由のひとつは、日々の診療で感じていた勤務医ならではの限界です。

医療センターのような大きな病院では、当然のことながら、患者さんの数が多く、診療もルーチン・ワークになりがちでした。

循環器内科の疾病では、心臓や血管の健康に影響する生活習慣をいかにあらため、医療の助けを借りることなく健康な暮らしをつづけていくことがたいせつなのですが、病院では一人ひとりの患者さんにあてられる診療時間にもかぎりがあり、「このままでいいのかな」という思いを抱くようになっていたことにくわえ、病気になった患者さんを勤務医のまま治療していくだけではなく、ひとりの専門医として地域の方々に「未病」のうちからかかわっていきたいと考えはじめていたとき、日本医業総研が主催していた医院経営塾をインターネットで知り、この塾へ参加したことが開業に向けた第一歩になりました。

やがて知り合った日本医業総研の小畑吉弘さんとは長い時間をかけてじっくり話し合い、クリニックを開業するにしてもそこで何がしたいのか、どんな条件が整えば開業に踏み切れるのか、小畑さんにしっかり要望を伝え、平成26年の6月に「すぎおかクリニック」を開業するに至ります。

わたしが小畑さんに要望しつづけてきた最大の条件は、医療センターで診てきた患者さんたちが無理なく通える場所にあり、医療を提供していくうえで必要なスペースを確保できる物件でした。

わたしのこうした強いこだわりに小畑さんがもっともふさわしい形で応えてくれたからこそ、開業の日を迎えることができたといっても過言ではありません。

不可欠な理念

開業医と勤務医の大きな違いは、まずひとつにわたし自身がクリニックの経営に携わっていかなくてはならないということです。さらに、病院であればスタッフの労務管理や研修などは組織に一定度任せておくことができますが、個人が経営するクリニックになるとそうはいきません。医院経営塾でとくに興味深く感じたのは、「クリニックの経営には理念が必要」という講義でした。

経営者は理念によってスタッフたちを束ね、明確な理念を掲げることでクリニックがすすむべき道をスタッフたちと共有していかなければならず、こうした理念がなければ、経営者とスタッフのこころがバラバラになり、プロとしてのスキルも十分に発揮できなくなってしまうという内容の講義です。

組織的に運営されている病院にも理念はありますが、クリニックを経営していく以上、経営者であるわたしが自分自身の考えにもとづいて理念を明確にしていかなければなりません。

そこで現在、「すぎおかクリニック」では4つの理念を掲げています。そのひとつは、「信頼と安心」。来院された患者さんとすごす時間や対話をたいせつにし、患者さんに安心して治療を受けてもらえるクリニックでありたいという理念です。ふたつ目の理念は、「貢献」です。地域医療の最前線を担うクリニックでありつづけること自体が地域に根ざすクリニックの存在意義であり、それが社会貢献にもつながると考えました。残るふたつは、「成長」と「絆」。「成長」とはもちろん、わたしたち医師や医療スタッフが向上心をもち、技術やサービスの研鑽に努めていくための理念です。「絆」は患者さんとの関係性を示しています。来院された患者さんの病気を診るだけではなく、「出会いに感謝しながら患者さん一人ひとりに向き合っていくべき」との思いをこめました。クリニックに明確な理念があれば、医師とスタッフが一丸となって良質な医療を提供していけると思っています。

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開業の手応えと病診連携の充実

開業するにあたって医療センターとは十分に話し合い、いまも良好な連携がはかられています。また、毎週木曜日には医療センターで外来の担当をつづけています。来年4月からは2診体制にしたいと考え、医療センターから常勤として医師をひとり迎えつつ、医療センターとの協力関係をさらに強化していく予定です。病診連携の促進と地域医療の充実を目的に、現在、医療法人化に向けた申請を行っています。

一方、勤務医時代に感じていた「未病」への取り組みは、啓発活動というかたちで実践しています。

「心臓や血管の健康」にかかわる抗加齢医療専門医が「血管のアンチエイジング」という考えを地域の方々に広め、医療の助けを借りることなく健康な暮らしをつづけていってほしいという願いも含めて、わたしのクリニックでは年になんどか無料セミナーを開催しています。現状ではスペースの都合もあって一度に20名ほどの方々しかお招きできていませんが、ゆくゆくはより多くの方々が参加できる場所でセミナーを開催したいと考えています。

開業前、小畑さんからは「開業初月は1日あたり15人ほどの来院数」で「損益分岐点をこえるには一日30人の患者さんの来院が必要」だと提示されていましたが、いざ開業してみると、初月から1日平均50人もの患者さんが来院してくださり、期待していた以上の手応えをえることができました。すでに行いはじめている啓発活動ばかりではなく、開業するまえからテーマにしてきたいくつかのことが着実に実現できつつあるのは、小畑さんをはじめ、多くの方々のご協力があったからだと思っています。

患者さんへ最適な提案を

勤務医時代とくらべて大きく変わった点をあえてあげるとすれば、週一回の宿直がなくなり、帰宅後に電話で呼び出されることもなくなったという点です。そのぶん時間的に余裕ができたかといえばそうでもないのですが、啓発活動も含めて自分がやりたいと思っていたことを実現できている現状にはとても満足しています。

循環器系の持病がある方の場合、重篤化の予兆を早期に発見する日頃からのケアが何よりもたいせつです。本来、これを担うのがクリニックの重要な役割であり、この役割をしっかり担っていくためには、心電図やレントゲン、あるいは超音波検査機器や血管年齢などの検査機器を十分に使いこなしていかなければなりません。くわえて健康維持に役立つさまざまなサプリメントの知識を蓄え、必要に応じて提案するなど、患者さん一人ひとりに合った最適な医療が実施できるよう「ひとりの専門医」として地域の方々にしっかり貢献していきたいと思っています。

すぎおかクリニック
院長 杉岡充爾

院長プロフィール

医学博士
日本内科学会認定医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
抗加齢医学会専門医
日本医師会認定健康スポーツ医など

1991年 千葉大学医学部卒業
1994年 船橋市立医療センター
1996年 倉敷中央病院
1997年 船橋市立医療センター
2014年 すぎおかクリニック 開院

Clinic Data

Consulting reportコンサルティング担当者より

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