身近な地域医療機関で、高度な専門性を発揮。充実した施設で国内屈指の日帰り手術を実施。

吉田尚生 先生

耳鼻咽喉科 吉田クリニック
院長

 

 

 

生粋の外科としての耳鼻咽喉科

お祖父上が耳鼻咽喉科の開業医だったということですが、吉田先生が耳鼻咽喉科に進まれたことにも、何らかの影響があったのでしょうか。

祖父や他の親族が耳鼻科クリニックを営んでいましたので、子どものころは風邪をこじらせるなど患児の立場からも身近な存在でした。大学時代の私の成績は概ね上位にいたものの、耳鼻科だけは苦手で、卒業後真っ先に捨てたのも耳鼻科の教科書でした(笑)。卒業時、漠然と内科を志望していたのですが、関西電力病院での初期研修で外科部長から外科の信念を徹底的に叩き込まれました。外科への興味が湧いてきたところで、耳鼻咽喉科部長から声を掛けていただきました。「君のおじいさんが取り組んできた医療を一度見てみてはどうか」と言われたのです。それまでの私の中にあった、子どもの風邪や中耳炎を診る耳鼻科のイメージがそこで一変しました。耳鼻科は生粋の外科系診療科だったのです。私が進路を決めたのは、そこからですね。

一人の担当医が検査、診断、内科的治療、外科手術まで担当するというイメージでしょうか。

そうです。そこが他の診療科との違いで、耳、鼻、喉それぞれにいろいろな検査、異なる治療アプローチがあります。種類や進行度に応じて手法を使い分けなければならない頭頸部がんの手術も相当件数を執刀してきましたが、そうした広域に及ぶ医療は、医師として一生やっていても飽きないだろうなと思ってきました。

 

高齢化が背景にあるのでしょうが、難聴者が増えていると聞いたことがあります。医療現場においてもその実感はありますか。

病院勤務医のころは、やや多いかなという感覚でしたが、開業してみると難聴の方の多さに驚きました。患者さんの3割程度が80代の方だと思われますが、難聴の症状は、認知症とも関わりが深い分野ですので、啓蒙も含めやり始めたところです。

約20年間、基幹病院で勤務され、指導者の立場でもあった先生が、開業を意識されたのはどういうきっかけだったのでしょうか。

開業はあまり考えていませんでした。ただ、定年までの折り返しの年齢に差し掛かり、耳鼻咽喉科医師としての将来像を考えたときに、専門性を発揮しようとするほど、仕事環境の選択肢が限られてきます。定年後の開業というのも現実的ではなく、だったら今が開業に適齢なのかなと思いました。

コンサル依頼のきっかけとなった「YouTube」動画

日本医業総研について、弊社の山下明宏がクリニック開業のポイントを解説するYouTubeをご覧になったとうかがいましたが・・・・・(笑)

日本医業総研はどんな会社なんだろうとウェブ検索をしていたところ、山下さんが解説するSNS動画に目が止まりました。現在の医療情勢を深掘るなどユーザー目線から興味深い内容で、こういう活動を精力的に行っている会社であれば信頼できると思いましたし、開業コンサルを依頼することの判断基準になりました。

西宮市は先生の出身地なのですね。

幼稚園、小学校時代をここ門戸厄神の近隣で過ごしました。クリニックの場所も、昔は中華料理レストランで、よく家族で食事をしたものです。開業するのなら生まれ故郷で、と考えていましたので、この医療モールのテナント募集情報をいただいたとき、真っ先に手を挙げました。

 

開業における先生の強みや他院との差別化は、やはり日帰り手術ということになりますか。

阪神地区での、本格的なサージクリニックは、多分当院が初めてではないかと思います。勤務医時代からずっと耳も鼻も手術をしてきたわけですが、経外耳道的内視鏡下耳科手術(TEES)に関しては、実施できる医療機関が限られています。地域の手術ニーズがどの程度あるのかは未知数ですが、日帰り手術はもっとも大きな強みだと思っていますし、当院で実証していくことが私の医師生活20年間の集大成だと思っています。

従来の顕微鏡手術では通常1週間程度の入院というイメージがありましたね。

TEESは外耳道から内視鏡を挿入して行いますが、患者さんには痛みが少なく低侵襲であるという特徴のほか、神経を傷つけるリスクが低いことも報告されていて、日帰りを可能にしたのです。そこで問われるのが術者の手技です。現在、十分なTEESの研鑽を積んだ医師は、大学病院や総合病院に集中していて、開業医となるとほんの一握りではないかと思います。

 

 

 

主に小児を診る耳鼻科クリニックが多い訳ですが、当院での子供の割合はいかがですか。

お子様は少ないですね。大体2割程度でしょうか。当院の特徴である日帰り手術や、専門的な補償器外来、聴覚の検査などを考えると、主なターゲット層は比較的高齢の方になります。そういう意味では、ほぼ想定通りという感覚でしょうか。

少数とはいえ、自ら医療を選べない子どもを診る以上、保護者との信頼関係を築くコミュニケーションが大事になりますね。

まず、説明を重視するということです。お子様が自分の症状を正しく訴えることは難しいですから、親御さんから見ての経過や心配事に傾聴し、何が原因でこのような症状を来しているのかを丁寧に説明するようにしています。これが大事なのです。多くの場合、どの医療機関にかかっても、治療方法はガイドラインに従ったもので、大きな違いはなく、使える薬も限られてきます。そこに差別化できることがあるとしたら、皆さんが理解・納得できる分かりやすい説明ということになります。

時間をかけたスタッフ人選と、採用後の育成

現在のスタッフ構成はどうなっていますか。

常勤・非常勤合わせて17名の大所帯です。内訳は、パート看護師5人、診療補助3人、受付事務8人、言語聴覚士が1人となっています。皆さん優秀な方にお集まりいただきましたが、言語聴覚士は国内指折りの検査件数を経験してきた方です。私の診療方針に共感いただき、週1日勤務していただいています。

それほどの言語聴覚士がいらっしゃると、少なくとも補聴器外来は相当な強みになりそうですね。

はい。すでに稼働しています。私は補聴器相談医ですし、補聴器適合検査の資格者でもあります。補聴器メーカーは数多あるわけですが、私と聴覚の専門家、認定補聴器専門店の三者でしっかりとした調整ができると、リハビリも順調に進みます。実際、他の店舗で補聴器を購入された方に対し、当院での検査結果を基に調整したことで、聞こえが修正されたケースが多く出てきています。要は、正しい調整ができるかどうかですし、そのことを広く知っていただきたいと思っています。

スタッフの採用では、どのような基準・視点で選ばれたのですか。

そこは、山下さんと相談して進めてきました。

(山下/日本医業総研)今回、応募者が100名を超えました。私自身の経験でも、近年稀といえる応募者数でした。その応募者を約3カ月かけて、かなり厳しい視点から絞り込み、選び抜かれた素晴らしいスタッフを採用することができました。

(吉田先生)私には採用面接など初めてのことだけに、山下さんの助言はかなり助かりました。耳鼻科経験のある看護師2名を含め、本当にいい方々にお集まりいただいたと素直に思います。

スタッフのスキルアップやチームパフォーマンス向上のために実施されていることはありますか。

看護師に関しては聴力検査など特殊な検査を行うことになりますので、今回チームに加わっていただいた言語聴覚士が中心となり、かなりの時間をかけて研修に取り組んでいただきました。私も時間を見つけては、看護学校や全国の看護師を対象に講義をしていた当時の資料を使って耳鼻科疾患の説明をしています。手術は少し特殊な勉強になりますので、大阪赤十字病院と関西電力病院の協力をいただきレクチャーを受けるほか、実際に手術を見学させていただくなどをしています。

受付事務の方はいかがでしょうか。

受付事務は、一定数の経験者を採用できました。教育に重点を置く考えから、必ず経験者と未経験者がペアとなりレセプト業務等の指導を始めています。未経験者にはスキルアップとともに、医療事務認定実務者の資格取得にもチャレンジできるよう、教材を取り揃えて実務に活かしていただくようにしています。あとは当人の興味と努力次第なのですが、学べる環境は常に提供していきたいと考えています。

 

手術を迎える準備は万端ですね。

手術は今年の7月28日から、最初は週1件ペースからの稼働となります。スタッフの過度なストレスにならないよう配慮しながら、順次増やしていく考えですが、まず始めてみて、改善点がないか、スタッフがどこにハードルを感じるのかなどを表出させる必要があります。件数を増やす検討は、それからでしょうね。

ということは、すでに手術予約を受け付けているということですか。

手術は数件の予約が入っています。当院で検査を受けられ、手術を選ばれた患者さんのほか、私のことを調べて遠方からお越しいただく方。あとは、病院からの紹介者もいらっしゃいます。

内覧会での来場者が2日間で約600人と、大盛況だったようですね。

そうでしたね。同じモールに出店した調剤薬局のほか、関係者皆さんの協力が得られたこと。また、2階に開業した内科クリニックとオープンが重なったことも大きかったのではないでしょうか。600人という来場者数もそうですが、多くの方々から、「この地域に耳鼻科ができて良かった」というお声がけをいただけたことを嬉しく思います。これは山下さんの診療圏分析が正しかったことの証左でもあるのですが、ほとんどの診療科クリニックが揃っている門戸荘の町内にあって、耳鼻科だけが抜け落ちていたのです。

まだ、開業から1ヶ月ですから、経営を評価するには尚早すぎますが、先生が肌で感じる手応えのようなものはありますか。

正直なことを言えば、もう少し患者さんが増えて欲しいなというのはありますが、当初事業計画の数値は超えていますので、不安はありません。短期的視点では、5月は私もスタッフも、まず診療を回すことに集中すること、6月からウェブを中心とした広告戦略を順次展開していき7月の手術を無事に終えられるように、このまま全力で走っていくしかないと思っています。

山下さんはクリニックの状況をどのように見ていますか。

(山下)5月の実績数値の部分は、まだ集計中だと思いますが、吉田先生がおっしゃられた通り、耳鼻咽喉科については高いニーズが見込まれる地域です。これから暑さのピークを迎えます。通常、夏場の耳鼻咽喉科の数値はやや落ち込むのですが、当院では手術が始まります。先生の実績と人格、優秀なスタッフ、利便性の高い立地、病院にも比肩する最新設備がありますから、私は確実に成功すると確信しています。

 

 

今回の日本医業総研の開業サポートについて、担当コンサルタントの山下明宏の仕事ぶりは先生のご期待に副うものでしたか。

(吉田先生)山下さんにも直接お伝えしているのですが、お願いして本当に良かったという感じです。日本医業総研グループである税理士法人と社会保険労務士法人も加えたフルコミットでのサポート体制が整備されていることも、頼りになりました。山下さんのコンサル経験が豊富なだけに、私としては開業準備を楽しむことができました。

(山下)そのようにおっしゃっていただけるとありがたいのですが、準備不足な点もあって、先生には過分なストレスをお掛けしてしまったと反省しております。

(吉田先生)そんなことはありません。ストレスを感じたのは、次々と送られてくる請求書を目にしたときだけで…(笑)。山下さんが手配してくれた業者さんが、また素晴らしく、皆さん熱心にサポートしてくれました。長年の付き合いもあるのでしょうが、それよりも皆、山下さんの人間性にリードされ、自然に形成されたタスクチームのように感じられました。

 

院長プロフィール

院長 吉田尚生 先生

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 耳鼻咽喉科専門医 専門研修指導医

日本耳科学会認定 耳科手術指導医 耳科学会認定医

日本がん治療学会認定医(指導者資格)

日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会認定 補聴器相談医

補聴器適合判定医師

臨床研修指導医

 

2005年 関西医科大学医学部 卒業
     関西電力病院 初期研修医
2007年 関西電力病院 耳鼻咽喉科 後期研修医
     京都大学 耳鼻咽喉科頭頚部外科学教室 入局
2010年 関西電力病院 耳鼻咽喉科 医員
2014年 大阪赤十字病院 耳鼻咽喉科・頭頚部外科 医員
2018年 大阪赤十字病院 アレルギーセンター(兼務)

2020年 大阪赤十字病院 耳鼻咽喉科・頭頚部外科 医長

2024年 大阪赤十字病院 耳鼻咽喉科・頭頚部外科 副部長
2025年 耳鼻咽喉科吉田クリニック 開設

 

Clinic Data

Consulting reportコンサルティング担当者より

お問い合わせ