最新の知見と治療法を用い、患者さんの価値観に沿った治療の選択肢を示し、QOLの維持を図る

小島 糾 先生

こじま内科クリニック
院長

患者さんと、ご家族の思いを尊重した治療の選択

開業されたこの場所は、元々お父様が歯科クリニックを開設されていたということですが、開業医のお父様の姿は小島先生が医師を目指すことに影響しましたか。

父はここで歯科医院を開業しており、地域の方々の健康を支える姿を間近に見て育ちました。そんな父の背中を追ううちに、自然と自分も医療の道へ進み、人の役に立ちたいと考えるようになったのが原点です。

大学卒業後の研修先として東京医大八王子医療センターを選ばれたのは、先生ご自身の地元を意識してのことでしょうか。

大学時代から腎臓内科に関心を持っていました。多くの研修先を検討するなかで、地元の東京医大八王子医療センターの腎臓内科を見学した際、熱心な先生方の姿に惹かれ「ここで研鑽を積みたい」と強く感じました。地元であること以上に、医師としてのキャリアを歩む場として魅力を感じたことが、入職の決め手となりました。

東京医大八王子医療センターと関連病院で約20年間、高度な診療を続けてきたなかで、患者さんや疾患に対してどう向き合ってこられたのでしょうか。

腎臓疾患についていえば、患者さんによって向き合い方や価値観が異なります。たとえば、人工透析をしなければ命脈を保てない重篤度にありながら、積極的な治療を拒み、自らターミナルケアを選択される患者さんを少なからず診てきました。これまでの腎臓疾患医療は、いかに延命するかにフォーカスされてきたのですが、どう生きるかは患者さん自身が決めることなのです。もちろん、普通に透析治療を受ける方や、身内からの腎移植を希望され、元気になられた方もいらっしゃいます。大学病院は、地域医療の最後の砦ですが、そこに絶対の解答があるわけではありません。それだけに、患者さんとそれを支えるご家族の思いを尊重した選択肢を示して実施することに努めてきました。

 

 

大学病院とは機能の異なるクリニックで実現したかった医療をお聞かせください。

(小島先生)腎臓病診療において、最も大切なのは「予防医学」であると考えています。私が医師になった頃と比較して、現在は腎機能の低下を抑制する画期的な薬が登場し、治療の選択肢は大きく広がりました。 しかし、これらの薬剤は投与のタイミングが重要であり、病状が進行してからでは十分な効果が期待できません。大学病院ではすでに病状が進行した患者さんが多く、早期治療の難しさを痛感してきました。 一人でも多くの患者さんを人工透析から守るためには、クリニックの段階で健診異常や初期症状を見つけ出し、適切な薬物療法を行うことが不可欠です。それこそが、患者さんのQOL(生活の質)を最大限に維持することにつながると確信しています。

先生のそうしたお考えは、スタッフにも浸透していますか。

来院される患者様は、病気に対する不安とともに、快復への切実な願いを抱いておられます。一人ひとり異なる生活背景にも寄り添い、真摯かつ丁寧な対応をスタッフ一同が徹底しております。 

 

 

弊社、日本医業総研に開業のお問合せをいただいたのが一昨年の2023年でした。他の開業支援サービスとも比較されたと思いますが、弊社をお選びいただいた決め手は何だったのでしょうか。

開業後も経営が黒字化するまでサポートをしていただける点は、他社にはない大きな特徴だと感じました。ホームページに掲載されている豊富な開業実績も他を圧倒しており、安心して任せられると思いました。

実際に担当コンサルタントの小畑と面談しての印象はいかがでしたか。

父の歯科クリニックの跡地で開業することが前提でしたが、本当に内科の患者様が来てくださるのか、集患だけを考えたら、駅前エリアの方が優位ではないかなど、不安がなかったわけではありません。そんな時、小畑さんが「ここで、大丈夫です!」と、言い切ってくれました。その自信に満ちたプロの言葉に、強く背中を押されました。

 

 

小畑さんは、当エリアの診療圏分析に基づいて、勝算ありと踏んだわけですね。

(小畑吉弘・日本医業総研コンサルティング部部長)通常の診療圏調査で、内科・腎臓内科で十分な数値的ポテンシャルが示されたほか、レンタカーでエリアを隈なく回り、競合の有無など調査をしたうえで、成功を確信しました。

(小島先生)小畑さんは私以上に地域の医療事情と生活動線を把握されていて、診療圏分析の段階で広告を打つエリアなど具体的な提案をいただきました。それで自信をもって開業に向かうことができました。

腎臓疾患における早期発見と早期医療介入が患者さんのQOLを最大化する

先生の専門分野である腎臓内科ですが、新たな国民病ともいわれるCKDについて、一般的には糖尿病性腎症や高血圧との悪循環などが知られていますが、患者さんが腎臓内科を受診されるきっかけは何でしょうか。

来院のきっかけは、市区町村や職場での健診による血液検査や尿検査での異常がほとんどです。腎障害の原因としては、糖尿病や高血圧が原因となることが多いのですが、持病がない方でも、突然、尿蛋白や尿潜血が陽性となるケースが一定数あります。いわゆる「腎炎」が疑われる状態ですが、早期に診断し、治療することにより寛解することも期待できるため、ちょっとした尿検査の変化も見逃さないようにしています。

CKDについての治療の目標をどう患者さんに説明していますか。

腎機能は加齢とともに低下しますが、その速度を緩やかにし「生涯にわたって透析を回避すること」が治療目標です。 仮に将来的な透析が避けられない状況であっても、導入を1年でも遅らせることは生活の質を維持する上で極めて重要な意味を持ちます。病気の進行抑制に全力を尽くすとともに、常に患者様の心に寄り添い、十分な説明と納得を積み重ねながら最適な治療を進めていくことを心がけています。

「八王子血管まもろうプログラム」が来院の動機にも

八王子市の保健・医療を検索すると、「八王子じんまもパス」という取り組みが出てきます。これは、腎臓疾患患者さんに対応する地域医療連携パスのようなものでしょうか。

八王子市と地区医師会が協力し、特定健診の結果に基づいて腎臓専門医へ紹介するプログラムを実施しています。その柱となる「八王子じんまもパス」は、尿蛋白の判定が「2+」以上などの基準を設け、速やかに専門医へ紹介するルールを定めたものです。 これまで、健診後の対応は各医師の判断に委ねられていましたが、行政の主導により適切に専門医へつなげる仕組みが確立されました。腎不全の重症化、透析予防を目的としたプログラムですが、患者様のQOL改善に直結するだけでなく、腎不全関連の医療費増大を抑える効果も期待される、全国的にも極めて稀で先進的な取り組みといえます。

非常に良い取り組みだと思いますが、当院にも紹介があるのですか。

紹介先の施設は、東京医大八王子医療センターや東海大学医学部付属八王子病院などの基幹病院だけに限定されています。ただし、このプログラムが始まってから、腎臓疾患に無関心だった人たちがクリニックを受診する動きが見られるようになりました。市民に向けた予防への啓蒙活動として、非常に意味あるものだと思っています。

歯科の父親が築いた、確かな地域医療基盤

ところで、クリニック名に「腎臓内科」を使わず、「内科クリニック」とされましたが、一般的な内科と腎臓内科の来院患者の割合はいかがでしょうか。

当院には、近隣にお住まいの一般内科の患者様が多く来院されます。慢性疾患をお持ちの方はもちろん、発熱、感染症といった急性症状の方もいらっしゃいます。また、父の代に歯科治療を受けられていた方も多く足を運んでくださり、長年地域で愛されてきたことを改めて実感しております。 一方で、専門外来である腎臓内科については、インターネットで検索して遠方からお越しいただくケースも少なくありません。現在は一般内科の患者様が中心ですが、腎臓内科を専門とするクリニックは全国的にもまだ少ないため、今後は地域のニーズを反映して、その割合も変化していくのではないかと考えております。

 

 

遠方からの患者さんには、敷地内に確保した30台分の駐車場が強みになりますね。

遠方の方もそうですが、高齢などで足腰が悪く、公共交通機関を利用するのも辛いという方は結構多いものです。その場合に、ご家族の運転する車で来院されることを想定しました。実際、100歳を超える患者さんもご家族が運転し、付き添っておられます。

内覧会も来場者200人と盛況だったようですね

父の歯科が閉院してから、新しい内科クリニックが完成するまでの過程を近所の方々はずっと見守ってくださいました。そのため、開院を心待ちにしてくださっていた方も多かったようです。また、かつての歯科スタッフや患者様もたくさんお越しくださり、父も交えてさながら同窓会のような賑わいとなりました。

事業計画の数値を上回る立ち上がりですが、前職から引き続いて診ている患者さんも多いのですか。

前任地の大学病院は、患者様にとって絶大な安心感がある場所だと考えております。そのため、長年大学に通院されている方を無理に当院へ誘導するようなことはいたしませんでした。 現在、ご自身の希望で大学病院から移られた方も一定数いらっしゃいますが、全体から見ればごく僅かです。多くの方にご利用いただけているのは、このエリアにおいて競合となるクリニックが少なく、特に腎臓内科を専門とする医療機関が希少であるという背景も大きいと考えています。

小畑さんは担当コンサルとして、良好な立ち上がりをどのように分析されていますか。

(小畑)来院患者数自体は、診療圏分析の結果がそのまま表れています。それよりも、お父様が数十年積み上げられてきた信用が、診療科の違いを超えて、そのまま引き継がれた印象を受けました。これも地域医療承継の一つの姿だと思います。

(小島先生)内覧会の盛り上がりで気を良くした父は、次の週に旧知の皆さんを夕食に誘ったようです(笑)。

今回の日本医業総研の開業支援について、ご感想をお聞かせください。

小畑さんについて一番感謝しているのは、クリニックに隣接する調剤薬局を誘致してくださったことです。患者さんの利便性への配慮から、近隣に薬局が不可欠だと考えていましたが、医療機関が少ない住宅地への出店者がいるのか心配していました。ところが、小畑さんが声を掛けるなり、二つ返事で出店していただくことが決まりました。薬局さんもまた、発熱でぐったりとしている患者さんには、スタッフが当院内まで来て会計手続きをしてくれるなどの配慮をしていただいています。医薬分業の時代にあって、患者さん本位のサービスが提供できていることも、満足度向上に大きく寄与していると思っています。

 

院長プロフィール

院長 小島 糾 先生

医学博士
日本内科学会 総合内科専門医
日本腎臓学会 腎臓専門医
日本透析医学会 透析専門医
日本腹膜透析学会 認定医

 

2006年  帝京大学医学部医学科 卒業
      東京医大八王子医療センター初期研修医
2008年  東京医大八王子医療センター腎臓内科 入局
2010年  東京医大八王子医療センター腎臓内科 助教
2017年  八王子山王病院 出向
2022年  学位(医学博士)取得
2023年  東京医大八王子医療センター腎臓内科 講師
2025年  こじま内科クリニック 開設

 

Clinic Data

Consulting reportコンサルティング担当者より

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