保険診療で受診の間口を広げ、患者満足度を高めることにより専門治療への流れをつくるコミュニケーション

中野貴光 先生 インタビュー

よしクリニック
院長

中野先生が医師を目指されたきっかけからお聞かせください。

3歳の時に重症の熱傷で東京女子医科大学形成外科に入院し、植皮の手術を受けて命を救って頂きました。その経験はやはり根底にあったのだと思います。母が薬剤師だった関係で、医師はやりがいのあるいい仕事だとは聞いていましたが、特に医師という職業を特別意識してはいませんでした。高校2年生のとき職業適正テストのようなものを受けたとき、私の適正職業として「医師」がピンポイントでマークされました。そこで、医師という職業について初めて真剣に意識するようになり、自然と悩むこと無く医学部受験を決めました。

形成外科に進まれたのは、先生が子どもの頃に経験された重度の熱傷での形成外科での皮膚移植治療にも影響されてのことでしょうか。

入学時から形成外科に絞っていたわけではありませんし、大学の臨床実習でもマイナー科と呼ばれる科の選択肢は限られていたので、実は形成外科は選択しませんでした。ただ、外科系へ行くということは決めていましたので、やはり自分の原点である形成外科も覗く必要はあると考え、夏休みを利用して東京大学や卒業後に入局することになる東京女子医科大学病院を見学しました。素晴らしい技術と創意工夫により自分の仕事に誇りを持っている形成外科の先生方の手術を目の当たりにし、その後は迷わずに形成外科志望となりました。医師を志したときと同様に、やはり形成外科で命を救っていただいたということが、潜在意識のどこかに残っていたのでしょうね。

形成外科医としてのやりがい、達成感などはどこにあるのでしょうか。

形成外科と一般的な皮膚科との大きな違いは手術を武器にするということです。病院では皮膚腫瘍、皮膚がんの手術や、外傷や腫瘍切除後の形態修復、機能再建などを行ってきました。皮膚表面を扱うため、基本的に結果を患者さんが実感しやすい診療科といえるので、技術の優劣がハッキリ出ます。ですから上手くいけば術後の反応も、「こんなに綺麗になりました。先生ありがとう」というストレートな評価がなされます。プレッシャーもありますが、この言葉が形成外科医にとってのやりがい、達成感につながります。

大学病院を中心に、急性期病院で勤務されてきた先生が自院開業に向かわれた動機は何でしょうか。

病院での診療はもちろんやりがいはありましたし、専門医の資格取得などさまざまなチャンスもいただいてきました。しかし、大きな組織では部門の管理職であっても上位の経営判断に則って運営していかなければならず、充実していた一方でやや意識のズレを感じていました。やはり、自分自身の理想とする医療を提供するためには、自院を開業すべきと考えるようになりました。開業は数年前から考えていましたが、子どもの受験が終わるタイミングでの開業の意思を固めました。

今回、日本医業総研へはホームページを通じてのお問合せでしたね。

開業コンサルも無料のサービスから有料の専門会社まで玉石混淆のような状態です。無料といっても何かの交換条件や理由があるでしょうし、有料コンサルに金額相応の価値があるのかは正直なところ判断はできません。実際にコンサルタントと面談し頼りなさを感じたこともありました。日本医業総研は開業に関するコラムを見ていて目に止まりました。医業総研に依頼するのがベストなのかは分かりませんが、三木崇史さんとの面談を重ねてしっかりやってくれそうだという印象を持ちました。

開業での先生の強みは、やはり形成外科を中心とした専門性の高さということでしょうか。

保険診療では専門の形成外科に加え、皮膚科を標榜しています。皮膚科や形成外科という基本診療科の専門医資格者は多くいらっしゃいますが、サブスペシャリティと呼ばれる領域の専門医資格まで持っている医師は多くありません。私は、レーザー専門医、熱傷専門医、手外科専門医、小児形成外科領域指導医というサブスペシャリティの専門医を取得しております。HPの経歴と専門医のリストをみて受診して下さる方も多くいらっしゃいますし、専門医を取得していることは開業してみると重要な要素だと感じています。たとえば、デュピュイトラン拘縮での酵素注射療法は手外科専門医で治療手技と適正使用の講習を修了した医師のみが行うことができます。練馬区の医療機関で実施できるのは2件だけだったと記憶しています。とてもまれな疾患ですので、当院でもまだ1例治療しただけですが、クリニックのプレミア感・信頼感にはつながるのではないでしょうか。

医療提供上、先生がもっとも大切にされていることは何でしょうか。

患者さんの治療満足度を高める前提となるのがコミュニケーションの質・量だと考えています。1日3桁の患者さんに対応しているクリニックでは、患者さんへの丁寧な説明といっても限界があります。現実的には特異なケースや重症でない限り、定型的な検査と薬の処方で診療の流れを滞らせない運営がなされていると思います。幸い当院はまだ外来に余裕がありますので(笑)、治療のゴールを患者さんと共有して、どうしてこうなったか、なぜこの治療が必要なのかなど患者さん一人ひとりにじっくり向き合って説明することができています。薬にしても、一時的な対症療法としてではなく、再発リスクを軽減させる服薬指導を大切にしています。患者さんが本当に知りたいことを正しく丁寧にお伝えすることも、医師の役割だと自覚しています。

慢性疾患と違って、通院患者さんが積み上がりにくいという意味では、常に一定の新患を獲得していかなければならないということですね。

これもコミュニケーションの延長線にあると思いますが、保険の治療で十分な結果が得られることが次の治療につながります。たとえば、ニキビが綺麗に治った患者さんが、「先生、ここも実は気になるのですが……」となり、そこから自費診療や手術につながることが多々あります。勤務医時代は、私の手術に満足された患者さんが何度も様々な手術を受けに来られ、「先生、他に手術するところはないですか?」と言われてどうしたものかと……(笑)。収入を積み上げるという意味では、保険診療での受診をきっかけに、今後は自費で定期的に受けられる施術を強化していこうと考えています。これは、三木さんと一緒に考えた経営戦略でもあります。

保険での一般的な外来診療、手術、そして自費での美容と、このクリニックで高い専門性をもってカバーできる領域は広いというですね。

診療体制としては、外来を午前中と午後5時以降とし、14:30から17:00を手術と美容の施術にあてています。まだ少ない件数ですが、ほぼ毎日手術の予約は入っていますし、がんの手術、皮弁形成術などもすでに実施しました。眼瞼下垂などの単価の高い手術も予想以上に実施しております。当院でかなりの治療は完結できると思っています。今のこの方向、つまり低い診療単価で数を診ることより、個々に満足度の高い医療を提供していくことで高単価になっていく経営スタイルを守っていきたいと思っています。

テレビCMなどで積極的な広告を行っている自費の美容外科があるなかで、保険診療を主体とする形成外科が一般に正しく理解されていないように感じられますが。

確かに美容外科と形成外科の区別がついていない方が多いのは事実でしょう。保険診療上の正式な病名と保険術式をもたないという意味でまったく異なる医療ではありますが、美容外科は形成外科領域の一部に含まれます。しかし、残念ながら形成外科のトレーニングをしっかりとつんでいない美容外科医も多くいらっしゃいます。美容外科にいかがわしさを感じて形成外科を選ぶ方がいる一方で、美容外科の方が技術的に上だと勘違いされている方もいます。あたかもキレイになりたかったら自費へというクリニックの宣伝イメージやブロガーの書き込みなどが、間違った情報へ誘導しているように感じられます。だからこそ、当院は形成外科医として保険で出来る手術は保険で、美容外科医として保険外の自費の治療は自費でとしっかりと区別しながら、患者さんに本当に良い医療を提供していこうと考えております。

最後に、今回の弊社の開業サポートについて、忌憚のない意見をお聞かせください。

他のコンサルタントとの比較評価はできませんが、相談に対する三木さんのレスポンスは早く、私の考えに迎合することだけでなく、「先生、こうする方が良いのでは」という反対意見や理由もしっかりと言ってくれました。より良い方向性を示してくれるという意味では信頼の置けるコンサルタントですし、お願いして良かったと思っています。

よしクリニック
院長 中野貴光 先生

院長プロフィール

医学博士
日本形成外科学会 形成外科専門医
日本熱傷学会 熱傷専門医
日本レーザー医学会 レーザー専門医
日本手外科学会 手外科専門医
日本形成外科学会 小児形成外科分野指導医

1997年 筑波大学医学部 卒業
1997年 東京女子医科大学形成外科学教室入局
1998年 東京都立府中病院(現、東京都立多摩総合医療センター)形成外科非常勤医師
1998年 東京女子医科大学形成外科研修医
1999年 東京大学形成外科医員
1999年 東京女子医科大学形成外科助手
2000年 都立府中病院外科非常勤医師
2002年 日本大学板橋病院形成外科
開設2年目の準オープニングスタッフとして赴任。美容医療外来を開設
2005年 米国テキサス大学留学
麻酔科学教室にて全身熱傷の全身管理についての研究
2007年 東京女子医科大学形成外科助手
2008年 東京都立豊島病院形成外科医長(診療科長)
2010年 川口市立医療センター形成外科副部長(診療科長)
2011年 学位(医学博士)取得
2015年 東京女子医大八千代医療センター形成外科准講師
2018年 東京女子医科大学東医療センター美容医療部准講師
2019年 よしクリニック開設

Clinic Data

よしクリニック

形成外科 皮膚科 美容皮膚科 美容外科

東京都練馬区練馬1-6-8 メディカNERIMA3F

TEL: 03-3948-3333

https://yoshi-clinic.com/

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