すず木小児科・アレルギー科

鈴木啓文先生 インタビュー

鈴木院長顔写真1

■働くお母さんにも配慮した「子どもが主役」のクリニック 

東京都のほぼ中央に位置する小金井市は、人口11万人ほどのベッドタウンです。JR武蔵小金井駅から電車に乗ると約30分で都心へ出られる便利さにくわえ、武蔵野の豊かな緑に囲まれた暮らしやすい地域です。かつては「開かずの踏切」によって交通渋滞が引き起こされていましたが、2009年には線路や駅の高架工事が終わってさらに暮らしやすい街になっています。「子どもが主役」という理念を掲げる「すず木小児科・アレルギー科」は、働くお母さん方にとっても利用しやすいクリニックを目指して運営されています。 

■まず、小児科にすすまれた理由をお聞かせください。 

そもそも子ども好きだったことが最大の理由ですが、子どもたちはなんといっても未来の担い手です。これから先、子どもたちの人生は60年、70年とつづいていきます。子どもたちの長い人生に小児科医としてかかわっていける期間はほんのわずかでしかありませんが、それであっても未来ある子どもたちの健康にたずさわっていられることは医師のやりがいにつながっていくだろうと考えました。 

■研修医時代の思い出として記憶に残っていることはありますか? 

悪性腫瘍のお子さんが亡くなったときのことはつらい思い出としていまでもよく覚えています。病気のわが子を案じてお母さんが泣くと、「お母さん、泣いてる」といって逆にお子さんが心配するんです。指導医のムンテラに同席していたわたしはそんな姿に涙をこらえることができませんでした。
その一方で、喘息で苦しそうにしていたお子さんが、通院をつづけることですっかりよくなり、元気な笑顔をみせてくれるとそれが励みになりました。

■医師になられて約20年。開業なさった理由もお聞かせください。 

 勤務医時代に当直をしていたとき、足元がおぼつかなくなって階段を危うく踏み外しそうになったことがきっかけで、このまま勤務医をつづけていると、いずれ身体を壊すのではと「体力の限界」を感じはじめ、開業を考えるようになりました。

■日本医業総研と出会ったきっかけはなんですか。 

開業を考えるようになってから手に取った本が出会いになりました。開業に関して書かれた雑誌の記事は以前からよく読んでいたんですが、失敗事例を詳しく解説していてとても納得できる内容になっていたその本の共著者が日本医業総研でした。後日、日本医業総研の本をもっと読んでみたくなって電話をかけると、シニアマネージャーの植村智之さんが親切に対応してくださり、開業の相談をしていくことになったわけです。 

■日本医業総研のサポート内容をどう評価されますか。 

とにかく親身になって相談にのってくださいました。同社が主催している医院経営塾もすべて受講しましたが、資金、採用、接遇などの講座で無駄になったと思うことはひとつもありません。とくに資金面の講座では、借り入れ、収支、運転資金などを電卓で自ら計算するよう指導され、それがとても実践的でいまでも役に立っています。失敗事例のケース・スタディも充実していて「こうした場合はどうすればいいか」ということも学ばせてもらいました。 開業の成功事例についても植村さんの案内でサポート先のクリニックを訪れ、そこの院長先生と植村さんの関係性を垣間みると、院長先生がどれほど植村さんを信頼しているかよく伝わり、植村さんが担当してくれるなら、開業準備を任せてもいいと思うようになりました。
具体的なサポート内容でいえば、開業地を探していくプロセスもたいへん興味深く、まるでコンビニを開店させるときのように行き交う人たちの数までしっかり数えていることを知って驚かされたほどでした。

■クリニックの開業にあたってこだわったところはどこですか? 

もっともこだわったところは診察の開始時間です。働くお母さんが出勤する前に子どもを受診させられるよう、わたしのクリニックでは朝8時から診療をはじめています。そのほか問診票をホームページからダウンロードできるようにしているのも忙しいお母さんたちへの配慮です。すでにご記入されている問診票をご持参いただければ、お子さんの症状も細かく把握することができますし、待ち時間も短縮することができます。また、当院では診察の順番を待合室ですごさなくてもいいように「順番取りシステム」を採用しています。これは予約制ではなく、待合室にいる時間をできるだけみじかくしてもらえるためのくふうで、外に出ていても順番が確保されるシステムです。もちろん順番までには来院してもらわなければなりませんが、ぎりぎりまでクリニックの外にいることができるので、診療以外の時間を有効に使えると思います。

 

■理念として掲げられた「子どもが主役のクリニック」について教えてください。 

「子どもさんが主役のクリニック」とはいえ、最近の母子事情、もっといえば、働くお母さんたちの事情が色濃く反映された理念です。
たとえば、インフルエンザにかかっていたお子さんの出席停止期間が規定に満たないうちにクリニックへ連れてきて、登園・登校許可書を書いてほしいと要求してくるお母さんがいます。できるだけ早くお子さんを保育園に預けて仕事に出たいというお母さんの気持ちはよくわかりますが、ほかの子どもたちへの感染だけでなく、病みあがりでもあるわけですから、お子さんのようすをもう少しみてほしいと説明しても「仕事があるから」の一点張りで押しとおそうとするお母さんさえ少なくありません。お子さんのことは気になりながらもお母さんには仕事を優先しなければならない事情があるのでしょうけれど……。
勤務医時代も事情は同じでした。症状がかなり重くなってから、しかも診療終了時間ギリギリにお子さんを病院へ連れてきます。忙しいのはわかりますが、できるだけお子さんの健康を優先的に考えてほしいという願いをこめて「子どもが主役のクリニック」という理念を掲げました。
お子さんとお母さんの関係は、しつけばかりかお子さんの抱き方からも伺えます。診察中のお子さんをしっかり抱きかかえ、おとなしくさせておくことができないお母さんも多くなってきています。

■子どもに関心がもてない母親が増えているということですか? 

 日中はすべて保育園任せで夏におむつかぶれがひどく、おむつをはずすことを勧めても「保育園で、なかなかとってくれないんです」と話すお母さんがいます。「お忙しいとは思いますが、お子さんにもっと時間を割いてやってください」というメッセージをホームページやリーフレットにあえてのせているのは、お子さんよりも自分の都合を優先させるのではなく、お子さんをしっかり見守ってほしいという願いを伝えたかったからです。 

■開業を決めた理由は体力の問題ばかりではないんですね。  

 昨今の親子関係とわたしの体力、その両方です。体力的には、おかげさまでクリニックを開業してからは当直の必要がなくなり、規則正しい生活もできるようになりました。病院勤務のように曜日担当ではないので同じお子さんをずっとひとりで診つづけられるという利点もあります。

■立ち上がりは順調なようですが、先生がお考えになる成功の要因は? 

 開業前、植村さんから提示されていた損益分岐となる受診者数は、1日あたり31名で開院初月は13人ほどが見込まれていましたが、2、3ヵ月後には早くも損益分岐をこえ、現在は1日平均50名から60名のお子さんに来院していただいています。開業した場所は、駅に近く、地域の生活動線にも面しているのになぜか小児科の空白区で、植村さんに「もう一度調べなおしてほしい」とお願いしたくらいです。調べなおしてもらった結果、やはりこのあたりに小児科のクリニックはなく、地元の医師会に所属している先生方からは、「小児科のクリニックが足りなかったので助かる」と歓迎されたほどです。
競合するクリニックがなかったという理由のほかにも医師会のみなさんが近くの病院を紹介してくださり、午後の診療は引き受けさせてもらっていることも来院者数の増加に関係しています。幸いにも当初の計画より早く損益分岐をこえることができました。
子育てに不安を抱くお母さんに対しては、可能なかぎり子育サポートをしながら地域のお子さんたちがいつまでも健康でいられるよう、これからも質の高い医療を提供していきたいと思っています。

 

鈴木啓文(けいぶん) 先生

東京都出身
国立滋賀医科大学医学部医学科卒業

主な勤務先
滋賀医科大学附属病院小児科
長浜赤十字病院小児科
神奈川県立こども医療センター アレルギー科
守山市民病院小児科

所属学会
日本小児科学会
日本アレルギー学会
日本小児アレルギー学会
日本難治喘息・アレルギー疾患学会
食物アレルギー研究会

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