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コンサル事例

T内科循環器クリニック 患者確保を最優先に-入居申込金の半額を捨てて物件を移動

マイナスからのスタート

T先生が開業を意識したのは、勤務医生活がそろそろ20年になろうかという頃・勤務医時代に知り合ったコンサルタントの勧めもあり、アルバイトとして通った土地勘があるS町のビルの3階を最初の開業場所として決めた。

その物件は、1階が調剤薬局、2階が他の診療科が開業する予定とのことだった。一般的にはビル診といえ、3階での新規開業というのは絶好の立地とは言えないが、調剤薬局もテナントとして入るということもあり物件の契約を結んだ。

ところが、T先生が開業の準備を進めていくうちに、1階の調剤薬局の話が消え、2階の診療所の話も消え、T先生一人、ポツンと取り残される形となった。第2の人生のスタートと張り切っていたのに最悪のスタートになりそうだった。

そんなときにT先生の目に飛び込んできたのが、雑誌に掲載されていた日本医業総研の開業コンサルテーションの記事だった・医業総研のホームページを覗き、だめもと、今の環境を少しでも好転させることが出来ればという淡い期待で連絡を取ったのが開業の1年前。

T先生から電話を受けS町の契約したビルを目の前にして。植村は驚いた。およそ内科を標傍しようとしている新規開業の場所としてふさわしくなかったからだ。さらに調剤薬局、他の診療所のテナント誘致が立ち消えになった経過を聞いて、開いた□がふさがらなかった。ゼロスタートどころか、T先生の開業準備は大きなマイナスからのスタートとなった。

 

高くても良いものを買おう!

最初の物件でのスタートも視野に置きながら市場調査のフィールドワークを行っていた植村の目に飛び込んできた物件があった。表通りに面した新築ビルの1階だ。広さも十分にある(35坪)。しかし、家賃を確認すると3階の物件の1.5倍程度。新規開業のT先生にとってはきつい家賃設定となる。T先生も立地について文句はないが高い家賃負担に耐えられるかどうか不安で、中々GOサインが出せない。

そこで植村が出したのが診療圏調査の結果だった。S町には診療所が多く、町内に21ヶ所もありほとんど飽和状態だった。ところが、T先生が専門にしている循環器となると診療圏内に1ヶ所しかなく、患者があふれている状態であることがわかった。そこで町別の人□と受療率を出し、内科(全般)、循環器内科のそれぞれで、予測される患者の占有率をはじき出してみた。その結果は、循環器での占有率が高まり安定的な経営に必要な患者が確保できる可能性があるということだった。

「新参者」が競争厳しい環境の中で、「内科」という標傍に埋没する危険を強く感じた植村は、診療所名を「内科循環器」でいくことを強く勧めた。

循環器を標傍する競合診療所は、生活動線を跨いだ先に1軒あったが、この診療圏における循環器系疾患の患者は、病院も含め分散傾向にあった。調査の結果では、この分散した循環器系の患者を相当数、獲得できる可能性があった。問題は、3階という立地である。

一般的にビル診の場合、2階以上のロケーションでの開業に向かない診療科として、内科、小児科、整形外科、眼科といったところが該当する。一方、こういった立地が大きなデメリットにならない診療科としては、皮層科、婦人科、心療内科・精神科、泌尿器科といったものが上げられる。

もちろん、2階以上の立地であっても、エレベーターはじめ動線がシンプルかつ環境が良ければ、決定的なダメージとはならない。一方、後者の診療科などは、患者の受診に関するプライバシーの確保といった点からも立地上、マイナスにはなりにくい。

とはいえ、今回のT先生のケースでは、場合によっては致命的なマイナスになりかねない。ただし、問題は不動産屋と既に契約を交わしており保証金も一部入金済みということ。さらに、契約している3階の物件と比較して、月々の家賃負担が大きくなるということである。家賃のような固定費は特に新規開業の際、低く抑えることが重要となる。ここでのジレンマは、立地が良ければ当然、家賃も高くなる。しかし一方、立地が良ければ患者のアクセスが良くなり、結果として集患も見込みやすいというところである。いわば、固定費を圧縮するという守備型の新規開業のスタイルを取るか、集患への期待という積極的、攻撃的な新規開業のスタイルを取るかという選択でもある。

「良いものは高い。T先生、高くても良いものを買いませんか」

「しかし、家賃が・・・。果たして私が払っていけるだろうか!?」

ここで、植村はあるシミュレーションを出した。患者数と単価を掛け合わせた簡単なものだ。ただし、標傍科目で割り出した予測患者数がベースになっている。さらに3階の物件と新たな物件の家賃差が患者の予測される患者の単価で、1日当たり何人の患者を診ることでカバーできるかも示してある。また、診療所が3階にあった場合と、表通りに面した1階にある場合とでは、予測される患者数の違いもあった。

「3階の診療所と1階の診療所。T先生、内科循環器でどちらが多くの患者さんを集客出来ると思われますか!?」

「分かった。高くても良いものを買おう!」

結局、T先生は3階の物件の申込保証金の約半額の120万円程度を捨てて、新たな物件で再度、契約することとなった。その代わり内装、医療機器など、高額になるコスト部分の徹底的な見直しを図リ、無事に開業を迎えた。

 


コンサルタントの目

●診療科によって開業物件の優劣が大きく影響する

●2F以上の物件でも大きなデメリットとならない診療科は、皮層科、泌尿器科、精神科、心療内科、婦人科など。逆に、内科、整形外科、小児科などはマイナス要因となる

●診療圏調査は必須。開業地域候補がおおよそ確定したら、まずは診療圏調査の実施を

 

 


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